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| ■地域経済・企業経営・IT関連 |
<日本がめざす姿>
1.提言の背景 日本経済は、バブル崩壊後10年にわたり低迷を続けている。とりわけデフレの進展、アジア諸国の台頭、厳しい雇用情勢は日本企業の競争力を著しく低下させている。日本経済は本当に復活できるのか、日本は衰退国家になってしまうのではないか、多くの国民が漠然とした不安と危惧を抱いている。 こうした状況から、昨年4月に発足した本委員会は、「経済・社会のボーダレス化」や「外国人労働者」というキーワードが日本再生の切り口になるのではないかと考え、企業経営者の立場で日本の将来像および政策提言を取りまとめた。 ボーダレス社会において企業が競争優位に立つためには、ヒト・モノ・カネなど様々な経営資源のうち、とりわけヒト(人材)をグローバルに調達・活用することが重要である。それは、企業活動だけでなく、国家戦略についても同様である。歴史的に大量の外国人(移民)を受け入れてきた米国は、ITやバイオなど先端科学技術の分野でも、外国人技術者の導入に成功し競争優位に立っている。最近では米国だけではなく、欧州各国や中国も、有能な人材を自国に呼び込むことに力を注いでいる。 一方日本はどうか。アジアの有能な大学生・技術者は、日本には魅力を感じず米国や欧州に渡る。生産現場等のいわゆる単純労働に従事する外国人は年々増加しているにもかかわらず、単純労働分野の外国人受入は、公式には認められていない。日本には人材をグローバルに活用する方針・戦略がないのである。 欧米にキャッチアップする目標を失った日本は、新たに目標や方針を見いだせずに、目先の問題にきゅうきゅうとしているだけである。これでは進むボーダレス化に対応できない。国家としてどのようなスタンスをもち、どのような政策を実行するか。政府関係者だけでなく、企業経営者ひとりひとりも真剣に考える時期に来ている。 本提言が、わが国および当地域の政策決定に寄与するとともに、企業経営者をはじめとする各界のリーダーが「国のあり方」を考えるひとつのきっかけとなれば幸甚である。 2.日本の課題とめざす姿 T.日本の現状と課題 ボーダレス社会における日本のあり方を考えるに際し、はじめに検討しなければならないことは、日本の現状と課題を分析することである。本委員会ではまず、日本および日本企業の問題点を抽出し、さらにそこから将来を大きく左右する重要課題を2つに集約した。 1.国際競争力が低下する日本 日本の国際競争力は確実に低下している。それを照明するデータが報告されている。スイスの国際経営開発研究所(IMD)は、2001年版の世界競争力ランキングにおいて、日本は49カ国中26位に低下したと発表した。同ランキングは、国内経済、国際化、科学技術、人的資源などの8分野約300項目にわたる評価項目から成り立っているが、なかでも「企業家精神」が最下位、グローバル化への対応を表す「外国の影響に対する開放性」が46位、「ビジネスの効率性」が30位と、将来の国の成長力を表す項目が極めて低い順位となっている。
※ IMD世界競争力ランキングより抜粋(99年より評価基準が変更されている) 2.将来を悲観する企業経営者 本委員会が昨年11月に実施したアンケート調査によると、将来の日本の国際競争力について、「低下する」が約58%、「現状維持」が約27%、「高まる」はわずか16%であり、日本の将来について極めて悲観的な見方をしていることが明らかになった。その理由としては「グローバル化への対応の遅れ」、「総人口・労働人口の減少」などがあげられている。企業経営の最前線に立つ経営者は、"このままでは日本経済は衰退する"と危惧しているのである。 3.空洞化が進む日本 競争力低下の象徴が、貿易収支の黒字幅の減少と海外生産比率の上昇である。2000年度のデータでは、貿易収支の黒字幅は前年度比16%の減少、海外生産比率は14.5%で90年に比べ6.1ポイント上昇している。もはや世界の生産基地は、日本から中国をはじめとしたアジアに移ったのは否定できない。この状況が続けば、日本の競争力はさらに低下し、国際産業の空洞化がさらに進むことが懸念される。 4.少子化への対応の遅れ わが国の少子化が急速に進み、数年後には緩やかながら人口の減少に転じる見込みである。かつて経験したことのない人口減社会に対してわが国はどのように対応していくか、その道筋さえ見えてない。言うまでもなく、年金や医療などの社会保障制度は抜本的な見直しが必至であるが、公共投資やエネルギー需給など人口増を前提とした長期計画、教育システムなど現在の国家システム全体が行き詰まる可能性が高い。また、企業に与える影響も計り知れない。労働力の補填をどうするのか、国内需要の減少にどう対処するのか、極めて大きな問題である。 U.私たち企業経営者が考える「日本がめざす姿」 本委員会では、日本の重要課題の抽出を受け、アンケート調査およびディスカッションを通じて、企業経営者が考える「日本がめざす姿」を取りまとめた。それは、「日本の持つ良さや強みを守りつつも、世界に開かれた"活力あるグローバル国家"」である。 1.日本がめざす姿 ■ グローバルかローカルか アンケート調査では、日本は今後どのような国家を築いていく必要があるかを尋ねた。その結果は、「開かれたグローバル国家」との回答が約6割、「独自の伝統重視の成熟国家」との回答が約3割であった。経済のグローバル化の最前線に立つ企業経営者は、日本の持つ伝統的な良さに魅力を感じながらも、グローバル化は受け入れざるを得ない現実であると認識している。企業は利益を出して永続的に生存することが究極の目的である。経営者は、日本独自の仕組み・ルールでは世界で生き延びることは難しいと考えているのである。つまり、日本は伝統的な良さや強みを守りつつも、"活力あるグローバル国家"をめざさなければならない。 ■ 日本の良さ・強みとは何か それでは、日本の良さ・強みとは何か。この問いに対しては、勤勉、緻密、創意工夫、集団主義、平等主義など様々な答えが出るだろう。本提言書ではあえて「質の高い労働者」と「人を育む社会」という言葉で表した。生産現場で働く労働者の教育水準、モチベーションは欧米の企業に比べて極めて高く、それが"改善提案"や"QC"などにつながったのは周知の通りである。 もちろん、フリーターの増加、3K職場を嫌う風潮など、現在の日本がこれらの良さ・強みをすべて維持しているとは言い難い。しかし、少なくとも戦後から現在に至るまで、地域や企業を含めた日本社会全体が「質の高い人材の育成」に力を入れてきたことは間違いない。われわれは、どんな時代でも「質の高い労働者」と「人を育む社会」を維持いていかなければならない。 2.目標 日本が"活力あるグローバル国家"になるための目標(行動基準)は次のとおりである。 @ 目標1−異文化と共生する 第一に、異文化と共生することである。グローバル化とはいわば多様化である。多様化とは、異なる文化をバックグラウンドとする多くの外国人が、"ふつうに日本を訪れ"、日本人もまた"ふつうに外国人や外国文化と共生する"ことである。90年代に進んだ急激なグローバル化の流れに日本が対応できなかった理由の根本はここにある。企業が海外に進出しても、海外旅行者の数が増えようとも、異文化と共生しなければ、真のグローバル化はもたらさない。 A 目標2−ローカルからグローバルな仕組みに転換する 2つ目は、国、社会、企業活動の仕組みをグローバルな方向に転換することである。金融機関の護送船団方式や企業の年功序列システムが崩壊したように、日本国内や日本人だけを対象とした仕組みはいずれ空洞化することを認識するべきである。21世紀の国家およびビジネスの仕組みは、誰もが参入できるようオープンに、かつ世界基準にあわせたものに変えていかなければならない。 B 目標3−人材を呼び込みかつ育成する仕組み・環境を整える 3つ目は、人材を呼び込みかつ育成する仕組みや環境を整えることである。活力あるグローバル社会とは、有能な人材を呼び込み、育成することに他ならない。前述したとおり、日本の強みは、企業や社会で質の高い人材を育成することである。日本に来る外国人に対しても、同様に育成することが肝要である。人材は、"人材を育成できる国"に集まることを認識するべきである。
3.提言
1.主旨 本提言のポイントは、帰国を前提にした外国人ではなく、将来日本に永住する外国人を受け入れることである。日本が活力あるグローバル国家をめざすためには、人口減少に歯止めをかけるとともに、外国人と共生する「経験」が必要である。そのためには、"未来の日本住民"となる外国人を受け入れることが第一歩である。 永住権とは、選挙権等一部の権利を除き、国内で自由に滞在・就業ができる権利をいう。先進諸国では、米国、カナダ、オーストラリア、ドイツなどほとんどの国にこの制度がある。日本にも、永住権を付与する制度はあるが、後述するように取得するのは極めて難しい状況にある。 なお、グリーンカードは、米国の永住権付与システムで、かつて移民ビザのカードが緑色をしていたことからこのように呼称され、「グリーンカード=永住権」と理解されている。 2.提言の理由・論拠 本提言の理由・論拠は次のとおりである。 @ 人口減社会への対応 国立社会保障・人口問題研究所が本年1月に発表した「長期的な日本の人口動向」は、将来の出生率予測を大幅に下方修正した。同報告書によれば、日本の人口は2006年をピークに減少に転じ、2051年に1億人を割り、2100年には6400万人と半減する見通しである。人口の減少は、労働力と国内需要の減少をもたらし、結果的に日本が経済大国から退くことを意味する。2001年1月に国連が、「少子化日本・移民年60万人受入必要」と発表したが、少なくとも現在のレベルを維持するためには、一定数の移民が必要である。
A 知的創造力の向上 米国がIT分野において競争優位に立てたのは、世界中の有能な人材を集めることによって、知的創造力を向上させたからである。日本の国際競争力を高めていくには、同様に有能な人材の集積による知的創造力の向上が不可欠である。そして、それは一企業の努力によるものではなく、国家戦略として考えるべきである。 B 諸外国の動向−人材奪い合いの時代 世界各国は既に人材奪い合いの時代がきたとの認識のもと、様々な人材誘致策を競っている。米国、ドイツ、英国等の各国は、ハイテク技術者等を対象としたビザの数量制限を緩和した。なかでもわが国とよく似た人口・経済構造をもつドイツは、熟練労働者に永住権を付与する制度を審議中で、これにより毎年数万人の人材移入を見込んである。また、中国でも外国人の技術者や投資家に永住権を与える制度を2002年中に実施する予定である。日本は将来の国づくりを担う人材獲得競争のスタートラインにさえ立っていないのが現状である。 C 本会経営者の意識 アンケート調査によると、日本の国際競争力向上を阻害する要因は、「グローバル化への対応の遅れ」、「総人口・労働人口の減少」との回答が多い。また、"日本パッシング(有能な外国人技術者等が日本を素通りすること)"の理由としては、「規制・ルール面の受入環境が未整備」が最も多く、有能な外国人に対する永住権の付与については、約80%が「付与する」としている。 3.現行の永住権付与システム 現行の日本の永住権については、出入国管理法第22条により、1)素行が良好であること、2)独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること、3)その者の永住が日本の利益に合致することと規定されている。このように具体的な付与条件は明記せず、その都度当局の裁量や政治的な配慮で運用される極めて閉鎖的なシステムである。実際は、10年以上の在留期間やある程度の資産、特別な技能(芸能・スポーツなど)が必要といわれており、事実上永住権取得の道は閉ざされている。 4.日本版グリーンカードの具体的システム 本委員会が提案する日本版グリーンカードの具体的システムは次のとおりである。
■ 当システムのポイント ・フェアであること … 正規のビザを保持する外国人に対しては、広く機会を与える ・オープンであること … 永住権付与の条件を明確にし、公開する ・ポイント制を採用すること … 日本が望む人材像を明らかにするとともに、時代の変化・要請にあわせ、弾力的な運用を可能にする(IT技術者を優先するために、特定ビザの配点を上げるなど) ■ ポイント項目の具体例 ポイント項目の具体例としては、次のような項目が考えられる。 ・年齢 〜30歳20点、31〜49歳10点 ・日本語能力 日本語検定Aランク40点、Bランク30点、Cランク15点 ・学歴 博士課程40点、修士30点、大学20点 ・職業経験 5年以上10点 ・就職先の推薦・確保 推薦あり40点、就職先あり20点 ・保有資格 IT関連の国際資格30点、技能検定10点 ・就業ビザの種類 技術ビザ40点、国際業務ビザ30点、医療ビザ30点 ↓ 合計ポイントが120点以上の場合永住権を付与する <諸外国の状況> 移民受入に長い歴史を持つカナダでは、年齢や資格等の他に、人口調整要素(特定の民族に偏らないように調整する)、カナダ在住の親族の有無、財産など細かな基準が定められている。また、英国では、在留外国人の"帰化" を認める条件として、「英語の語学力」や「英国内の社会制度についての理解度」を問う試験を義務づける案を発表している。 わが国においても、日本語能力、資格など日本独自の判断基準を打ち出し、日本が望む人材像を世界にアピールすることが必要である。 提言2 『期間限定の外国人労働者の受け入れ』 1.主旨 本提言のポイントは、期間限定の外国人労働者を受け入れることで、わが国の企業活動の仕組みをグローバルな方向に転換することである。日本が活力あるグローバル国家を構築するためにはまず、企業の活力を取り戻すことが重要である。しかしながら、現在のビジネスの仕組みでは国際競争力を向上させることは難しい。とりわけコスト競争力ではアジアの企業に対抗することはできない。期間限定の外国人労働者の受入は、日本企業の活力を取り戻すための有効な手段である。 2.提言の理由・論拠 本提言の理由・論拠は次のとおりである。 @ 労働力減少・雇用のミスマッチへの対応 実質の労働力を表す生産年齢人口(15〜64歳)は、1995年の8,717万人をピークに減少過程に入り、2030年には7,000万人弱、2050年には5,389万人に達すると見込まれる。(P12グラフ参照)現在はマクロの雇用状況が悪化しているため、労働力不足という認識はほとんどない。しかし、将来的な労働力減少と雇用のミスマッチは企業にとって極めて大きな問題になる。日本は、労働力の補填について今から考える必要がある。 A コスト競争力の向上 日本企業が抱える最大の弱みは高コスト構造である。高コスト構造を変革するために企業が取り組んでいることは、海外生産と人件費の削減を中心にしたリストラクチャリングである。企業のリストラクチャリングが進めば進むほど国内空洞化が進み、また海外進出が難しいサービス業の国際競争力が低い要因はここにある。しかし、日本人に比べて低賃金で、勤労意欲も高いといわれる外国人労働者の受入が可能になれば、企業のとりうる選択肢が増え、コスト競争力の向上に寄与するはずである。 B グローバルな仕組みとは何か まず認識しなければならないのは、日本は外国人や外国人労働者の比率が先進国中極めて低い「特殊な国」という点である。かつて地域社会や企業活動において外国人と接することは稀であった。これは戦後、わが国が自国の経済や社会の発展のため、治安の問題や日本人の失業を招く恐れのある単純労働分野の外国人受入を拒否する方針をとってきたからである。一方他国はどうか。欧米に限らずほとんどの国では、異なる人種・民族と共に働き、共に生活をしている。単に商品を輸出したり、海外工場をつくることがグローバルな活動ではない。日本にあるオフィスや工場で、ふつうに日本人も外国人も働くことこそがグローバルな仕組みである。 C 本会経営者の意識 アンケート調査によると、単純労働分野における外国人労働者の受入については、「受け入れる」、「条件を付けて受け入れる」が併せて約80%で、「受け入れない」は20%弱である。受け入れる理由は、「若年労働者の補填」が約65%、「コスト競争力の向上」が約50%である。また、受入の際の具体的条件としては、「外国人の資質を審査」、「滞在・就業期間を限定」が約60%と高い。 3.現行の外国人労働者に関する諸制度 喫緊に考えなければならないのは、法制度と現状とのギャップである、日本は、製造・建設現場などのいわゆる単純労働分野については、外国人労働者の受入を認めていない。しかし、実際には多くの日系人の受入を認め、外国人研修制度の研修生という名目で就労するケースや、多くの不法就労が後を絶たない。つまり、建前は受入拒否であるが、事実上"受入はやむを得ない"としているのである。このような曖昧な状態が続けば、治安の悪化、外国人の人権問題、ひいては国際的な問題となりかねない。外国人労働者受入を公式に認め、そのルール・システムを早急に構築することが求められる。 4.受入の具体的システム 本委員会が提案する受入の具体的システムは次のとおりである。
■ 当システムの特徴 当システムの特徴は以下の通りである。 ・「団体管理型」と「個人型」の2種類の方法があること …「団体管理型」は現行の外国人研修制度の枠組み、つまり企業・団体単位の受入であるが、「個人型」は属人ベースとすることで、製造業だけでなく他の産業での就労が可能 ・就労ビザを与えるための明確なルール(審査基準)があること …「団体管理型」については、就労範囲を限定することから、技能検定等を就労ビザ付与の審査材料とする。一方「個人型」については、比較的自由な就労を可能にすることから、より厳しい審査基準(日本語能力等)とする ・国内の雇用状況を踏まえた受入調整が可能なこと …後述する「労働市場テスト制度」や「雇用許可制度」などを組み合わせることで、受入人員の調整を可能にする ■ 就労ビザの種類 現行の就労ビザは16種類あるが、単純労働分野の就労が認められていないため、該当するビザは新設する必要がある。 本委員会では、就労ビザを次のように新設・整理する事を提案する。
提言3 『外国人と共生するための国および岐阜県の環境整備策』 1.主旨 外国人を受け入れる制度をつくるだけでは、有能な外国人を誘致することができないばかりか、いたずらに社会的な摩擦を引き起こすことになりかねない。受入システムの構築と同時に、外国人と共生するための環境整備が必要である。ポイントは第一に、制度面・環境面で外国人から見て魅力的な国になることであり、第二に日本人自身の外国人・外国文化に対する対応能力を向上させることである。そのために、国および岐阜県における環境整備策を提案する。 2.国における環境整備策 @ 社会保障制度の改革 日本人だけでなく、永住権を持った外国人も対象にした制度設計に変更する。また、期間限定の労働者については、医療保険への加入を徹底する。それには、ソーシャル・セキュリティ・ナンバー(SSN=社会保障番号)制の導入が不可欠である。米国では、就労をはじめ納税や免許の更新時などあらゆる場面においてSSNの提示が求められ、大きな役割を果たしている。SSN制度を導入すれば、外国人の生活サポートのほか、不法就労・滞在を防止する効果もある。 A 雇用許可制度および労働市場テスト制度の実施 外国人の人権を守り、かつ日本人の失業問題に配慮するために、「雇用許可制度」と「労働市場テスト制度」を実施する。「雇用許可制度」は、期間限定の外国人を雇用する企業を許可制にし、定期的に実態調査を行うことで、外国人に対する不当な差別待遇等を未然に防ぎ、また外国人の不法就労等をチェックすることができる。 「労働市場テスト制度」は、日本国内の産業や職種別の雇用充足状況を定期的に調査し、実態を把握する制度である。この制度を活用すれば、充足度に応じて、期間限定の外国人労働者の受入数を調整することができる。 B 外国人労働者担当外局の設置 外国人労働者の入国、就労、生活、帰国までを一貫して管理監督する外局「移民・外国人担当局」を国および地方に設置する。現行では、出入国は法務省、就労は厚生労働省、住民登録等は総務省(市町村)に分かれている。わが国の基本政策を大きく変えるには、専門の外局が必要になる。また、不法滞在・不法就労については従来以上に、当該外国人および不法就労の外国人を使用する企業等に対して厳正に処罰する。当該担当外局がその職務の中心となる必要がある。 3.岐阜県における環境整備策 @ 岐阜県の現状・特徴 外国人受入を含めた国際的観点から見た岐阜県の特徴はつぎの通りである。 ・日系ブラジル人や外国人研修制度の実習生が極めて多い(実習生数は全国1位) ・既に外国人との共生に向けた地域独自の取組み(民間のブラジル人学校の設立等)がある ・IT分野を中心とした海外諸機関との独自の提携がある A 岐阜県がめざすべき方向と環境整備策 前記3つの特徴は、ボーダレス社会において極めて大きな武器であり優位性である。岐阜県および岐阜県の企業はその優位性を十分に生かすことが求められる。 1)めざす方向 多くの外国人・外国人労働者の質の向上、定住を推進することで、ボーダレス社会における新しい地域像を全国に発信する。 2)具体的な環境整備策 具体的な環境整備策はつぎの通りである。 a.外国人の住宅取得の推進 住宅については、ハード、ソフトの両面で進める必要がある。ハード面では、外国人向けの住宅建設であるが、これはPFI(Private Finance Initiative)方式などを活用して進めることが考えられる。ソフト面では、行政(県、市町村あるいは関連組織)が、資格審査を実施のうえ外国人の身元証明書を発行するなど、住宅取得をしやすくする仕組みが必要である。 b.休校日(土曜日)を活用した異文化・語学教育等の実施 日本人の対応能力向上と外国人の生活サポートを目的とした、異文化・外国語教育を地域レベルで実施する。具体策としては、学校5日制に伴い休校になる土曜日を利用して、日本人向けの「異文化コミュニケーション講座」や、外国人向けの「日本語・日本文化教室」などを設ける。講師は教員だけに限定せず、ボランティアや地域のお年寄りも活用する。 c.市町村単位での国際会館の設置 外国人比率が一定以上の市町村に対し、「国際会館」の設置を推奨する。国際会館の機能としては、外国人の相談窓口、外国語の書籍の貸し出し、各種の催しなどがあげられる。なお、国際会館については、新規に建設する必要はなく、公民館、図書館、空校舎など既存の建物を利用する。 d.NPO、ボランティア団体の育成 外国人比率が3%を超える大垣市では、大垣国際交流協会を中心にボランティアを活用した外国人に対する生活サポートを実施している。日常生活のサポートはこのようにボランティアなしでは成り立たない。外国人をサポートするNPO、ボランティア団体を"国際交流大使"に任命し、活動場所の提供や補助金の支給などにより、全県下でその育成を図ることが必要である。 e.外国人雇用連絡会議の設立 行政(国の出先機関、県、市町村)、外国人を雇用する企業などで組織する「外国人雇用連絡会議」を設立する。同会議では、雇用企業間の情報交換、県在住の外国人労働者の人材バンク機能を具備し、県レベルの外国人施策などについて検討する。 ![]() ■ 外国人労働者に関するシステム比較・イメージ図(拡大) 4.委員名簿
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